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  3. 20130722号 タイトル:「“結論”よりもっと大事なものがある」

シダ(羊歯)の種類は随分と多く、よく観察するとそれぞれ個性的です。しかしながら、年齢のせいか名前がなかなか覚えられないのが残念です。毎朝のように登っている近くの山でも、今がシダの“見ごろ”(?)です。

我家のベランダにもシダの鉢が3鉢ほどあります。別にシダを育てようと思っていたわけではなかったのですが、いつしかホンコンカポックやキンモクセイなどの鉢の脇から生えてきたものです。それを抜きもしないで水やりをしているうちに、今では鉢いっぱいに拡がって、シダの鉢になってしまいました。シダが柔らかいグリーンの光を放ってくれて、ベランダの空気が和みがます。


★シダの群生
シダが放つ緑の光が当たりの空気を和ませてくれます。7月20日 天拝山石楠花谷にて撮影




7月14日(日)に福岡市健康づくりサポートセンター(あいれふ)で教育文化研究所主催の第13回デンマーク講演会を開催しました。会場には約50名の人たちが幸福度世界一のデンマークを支える教育についての講演に耳を傾けました。今回はその時の印象に残ったことをレポートします。

講師はデンマークの国民高等学校の学院長の錢本隆行氏と、国民学校(義務教育)の校長ラース・モーテンセン氏のお二人をお招きしました。今回の講演では、デンマークの教育の全般的な概要といじめ及び発達障害等の特別な配慮が必要な子どもたちへの対応についてお話をうかがうことができました。※銭本氏は今春3月にも講演をして頂きました。

モーテンセン氏の国民学校は0年生から9年生までの10年間の児童生徒の他に、3歳からの幼稚園も併設されていて、幼稚園と学校が連携しながら、3歳から15歳までの間の12年間を一貫して子どもと向き合っているそうです。このことは一人ひとりの子どもを継続的にみていけるので、その子のことがとてもよく分かるとのこと。
※デンマークでは教師は学校単位で採用され、基本的に転勤がありません。さらには、学級の持ち上がりが長いので、担任が何年間にもわたって、子どもと向き合うことが可能なのです。

そして「学校」は子どもにとって、“居るのにベスト(快適)な場所、学ぶのにベスト(最適)な場所”であるべきだと一枚の写真を見せて説明されました。その写真には、ソファーのようなゆったりした椅子にパソコンを膝に抱えた女の子、男の子は足を椅子の上に投げ出してパソコンを使っている様子が映っていました。これは授業中の様子なのだそうです。なんと行儀の悪いと思ってしまいますが、デンマークではその子や学びやすい状態で学ぶのが最適なので、これも良いのだそうです。これはデンマークの教育の基本に「対等」「敬愛(レスペクト)」があるからこそ可能なのではないかと思います。

講演の後の質疑応答も次々と質問が出されて、デンマークへの興味は尽きませんでした。私もデンマークの教育の中で「民主主義(デモクラシー)」はどのようにして教えているのかと質問をさせて頂きました。するとモーテンセン氏は次のように返答されました。

デンマークでは「民主主義(デモクラシー)」のことを取り立てて話さないのだそうです。それは当たり前であり、人間の生き方、考え方そのものだからだと。さらに次のように付け加えられました。「民主主義とはお互いに“スペース”を与えることだ。」と。つまり、話し合い、協力して事を進めるためには、その話し合いが収まるべきスペース(広い心の場所)をお互いに与え合うこと、そしてより多くの人を巻き込むことが、民主主義的な進め方だと。

学校理事会(教師、生徒、親の三者で話し合う会議)で、「いつ話し合いが終わるのか」という質問が出た場合には「終わらなくて良い!」とモーテンセン氏は答えるのだそうです。大事なことは、話し合うことだからです。結論よりも、その過程で話し合い、お互いが理解し合うことの方が大切だと思うからです。

「そうは言っても結論を出さなくては・・・・」と私たちは思ってしまいますが、だから話し合いにならないのですね。大事なものはお互いの理解なのです。お互いの理解が進めば、自ずと落ち着くところに落ち着くのです。多数決で中途半端に話し合いを中断して、数の論理や職権で結論を出していくことが、いかに相互の理解を妨げていることでしょう。

まだまだ興味深い話は続きました。全てをご紹介できないのが残念です。またこのような機会がもてればと思っています。

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★この講演内容は教育文化研究所主催の「デンマーク研究会(毎月第4火曜日開催)」でも資料として使用して、更に深めていこうと思っています。興味のある方は是非ご参加下さい。
 ◎場所:福岡市人権啓発センター(ココロンセンター)
  (福岡市博多区下川端町3番1号 博多リバレイン・リバレインオフィス10階)
  ※博多座の隣のビルです。地下鉄中洲川端駅に繋がっています。
 ◎日時:7月23日(火)19:00-21:00 ※毎月第4火曜日が開催日です。
 ◎参加費:500円
 ◎お問合せ:教育文化研究所 nakayoshi@kyouikubunka.com

★ラース・モーテンセン氏が校長を務めるセアスレウ・ホースレウ国民学校、銭本隆行氏が学院長を務める日欧文化交流学院には、今秋11月10日〜17日催行予定のデンマーク研修ツアーで訪問する予定にしています。これまた楽しみですね。
 ・デンマーク研修ツアーについては以下の教育文化研究所のHPをご覧下さい。
  http://www.kyoikubunka.com/contents/scj/index.html

教育文化研究所
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