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  3. 20121008号 タイトル:不登校セミナー・レポート

秋らしくなってきました。金木犀の花が満開です。もう散り初めの株もあります。この匂いは私の子ども時代、青春時代の秋の思い出と重なっています。運動会、文化祭など10月の今頃に、金木犀の香りが辺りに漂っていました。日暮れが早くなり、夕焼け空を見ながら、・・・・・。



★アサギモクセイ(浅黄木犀)の小さな花が散っていました。
 筑紫野市武蔵寺境内にて 10月7日10:00am

私のメルマガ「なかよしブログ」に「今はもう秋 2012年10月」というタイトルで先日訪れた九重の様子などを掲載しています。よろしければ訪問下さい。
 →http://nakayoshi.kyoikubunka.com/



10月6日(土)13:30−16:30に福岡市婦人会館9階大研修室で、今年第2回目の「不登校セミナー」を主催「不登校よりそいネット」で開催しました。6月9日開催の第1回に引き続いて、不登校体験者から体験談を聴く機会を設けました。前回が若者の体験談でしたが、今回は保護者としての体験談です。

不登校セミナー前半には「不登校よりそいネット」実行委員長の私から、不登校の現 状 や保護者としてのその対応などについて1時間ほどお話させて頂きました。内容と しては、不登校は個別の家庭の問題として捉えると同時に、学歴主義、競争主義、拝金主義、個人主義など大人社会にまん延する「利己主義的な考え方」が子どもたちを苦しめてい るという社会的な背景からの視点の必要性についても、考えなければならないこと。

私たち大人の生き方の「苦しさ」がそのまま子どもの生き方に反映していることを自覚して、私たち大人が、人のことを思いやり、仲良く助け合って生きていくことの必要性をお話ししました。つまりは、私たちが生き方を転換しない限り、子どもたちは幸せになれないということではないかと。


★不登校セミナーの様子 10月6日13:30− 福岡市婦人会館9階大研修室

また、「子どもの未来は必ず幸せになる」という確信を持つことが大切だということもお話ししました。私自身の体験からそう思うからです。そういう気持ちで子どもと接していくことで、子どもは親が自分を信じてくれていることを感じますし、私自身も「幸せになるために何を考えれば良いのか」という方向で考え始めるので、前向きになっていけるからです。私は、この言葉をずっと自分に言い聞かせるように、繰り返し繰り返し呟くことで、本当にそうなるんではないかと思えてきたから不思議ですね。

休憩を挟んで、後半は「保護者の不登校体験談」を「わが子が不登校になったとき」というテーマで三人の体験者が登壇して自らのその時の気持ちやその時の対応などについて語っ てもらいました。

息子さんが中学校のときに不登校になったTさん(父親)は、もう親子の縁を切ろうとさえ思ったそうです。無理やり学校に引っ張っていったこともありましたが、その度に親子関係が悪化していきました。どうしたものかと考えあぐねているときに、「不登校の悩み語り合いませんか」(註1)に参加しました。

そこで気付いたのは、自分はそのままにしておいて、子どもだけを何とかしようとしていた自分の姿でした。自分の考え方もどうなのかを他の人の話も聴きながら見直していく中で、随分と楽になったそうです。親子だけで何とかしようとするのではなく、他の人の意見を聴くことの大切さを実感したそうです。

Iさん(母親)は、息子さんが小学校の頃から学校に行き辛くなって、激しい身体症状 が出ていたそうです。最初は怠けていると思っていたのですが、あまりに体がきつそうだったので、これは無理だと思い、学校に行かないという息子さんの気持ちを受け止めたそうです。このことで、親子とも楽になりました。

息子さんは中学はほとんど通学しませんでしたが、高校には進学。念願の全日制高 校に通学を始めましたが、途中でつらくなって単位制高校に転校。それがきっかけで元気になったそうです。

もう一人の体験者のKさん(母親)は娘さんの不登校を語ってもらいました。長男さん(現在は大学生)も不登校だったので、娘さんが不登校になったときにはそれほど慌てなかったそうです。息子さんのときに、同じ悩みを抱えた親の集まりがあって、そこで励まされたり、先輩のお母さんたちからアドバイスをもらって随分と落ち着けるようになっていたからです。

Kさんの娘さんも通信制の高校に進学することで、不登校状態から抜け出たそうです。 高校受験については、あまり積極的ではなかったそうですが、Kさんが、高校のパンフレットを見せながら「一緒に見学に行ってみよう」と誘ったところ、「それじゃあ」と説明会に行ったのがきっかけになりました。無理強いは禁物ですが、少し背中を押してみることも有効なこともあるのですね。


★不登校セミナーの様子 10月6日13:30− 福岡市婦人会館9階大研修室

この三人の方は、実は私たち不登校よりそいネットの事務局をしている人たちなのです。三人とも、親たちが孤立することで悩み、苦しむことを実感しています。親としての立ち直りのきっかけは、「不登校の悩み語り合いませんか」や「不登校セミナー」のような当事者の居場所、学習の場所だたったということが共通してます。

だからこそ、自分の体験から、わが子の不登校に向き合っておられる保護者の方のために少しでも役に立てればと、事務局でボランティアをして下さっています。

最後に、この不登校セミナーに参加した方々に三人のパネラーからそれぞれにメッセージを送ってもらいましいた。Tさんは、「これからもわが子の意思を尊重していきたい」と自分に言い聞かすように語られました。Iさんは「親も辛いが子どもはもっと辛い」ということを分かってやって欲しいと。Kさんは「不登校は成長のプロセスだ」と考えてはどうかと話して下さいました。

長い人生で、何かの理由から「不登校」という選択肢を選んだわけです。しかし、わが子が人生を自分の力で生きていくための力をつける必要はあるのですから、そういう話合いをすることは必要だと思います。子どもが自立して生活できる力をつけることを応援するのが親の役割のように思います。そのための応援についてを私たち大人は真剣に考える必要があるのではないでしょうか。

註1
平成19年度福岡市教育委員会が実験的に開始した不登校当事者の話し合いの場=保護者の居場所づくり事業。現在も不登校よりそいネットの事業として継続し、多くの不登校当事者の悩みを共有し、考える場所になっている。
※開催日は不登校よりそいネットの活動カレンダーを参照
http://futokosien-net.main.jp/item/calender/index.html

教育文化研究所
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