今年も残り10日余りとなりました。今年はどんな年でしたか?私にとっては、とても素晴ら しい一年でした。最近は毎年暮れになると、「今年も素晴らしい一年だったなあ」と思うよう になりました。何故なら、こうして元気に生きて、年末を迎えることができたからです。

この歳(来年は70歳)になると、生存していることの有難さをつくづく思います。友人や知人 が今年も亡くなり寂しい思いをしましたが、一方で生きていることの有難さを思います。そし てこの残された自分の命を人のために何か役立てられればとも思っています。

来年も「今年も素晴らしい一年だった」と思えるように過ごしていければと思います。 

エナガ  2018.12.10筑紫野市天拝山山麓  荒穂神社にて撮影

なかよし情報20181220号                ■“ゆっくり”は“なかよし”の始まり

私は年間に120回程度の講演や講義をしていますが、その中で人とコミュニケーション をするときに、“ゆっくり”話すことの大切さをお話ししています。

その理由の一つは私たちの「聴き取り」能力です。或る研究によると、私たちの脳は現在 の日常会話のスピードには追い付けていないそうです。私たちにはあまり自覚はありま せんが・・・。

例えば、今から100年前の私たちの暮らしは携帯もスマホもテレビも無い暮らしでした。 普通の人たち(その当時はほとんどが農民)は、今ほどの情報をやり取りする必要の無 い暮らしをしていました。おそらく会話の量は少なく、会話のスピードもゆっくりしていたこ とでしょう。25万年の人類の歴史を1年間で表すならば、この100年間は3時間半にし かなりません。このような短時間の急激な変化には私たちの脳が追い付けないでいるこ とも頷けます。

追いつけない状況に対して、私たちの脳は会話中の意味を優先し聴き取ることで急場を 凌いでいます。一緒に働いたリ、協力して生活することが可能になるからです。しかし一 方で気持ちのやりとりの聴き取りをすることには力が回らない状況になっています。仕方 ありません。脳の能力には限りがあるからです。

その結果、いくら話しても分ってもらえないというもどかしい状況が頻繁に生じています。 忙しく慌ただしい現代社会に生きていて、では、脳の能力に見合ったコミュニケーション はどうやって可能にできるのかを考えてみました。結論は簡単でした。“ゆっくり”話せば 良かったのです。つまり会話のスピードを脳の能力に合ったスピードまで落としてやれば 良いということです。

そうすれば、伝えたい意味と気持ちを同時に相手に伝えることが出来ます。相手の話も ゆっくり話してもらうことで、よりしっかりと理解することが出来るようになります。落ち着 いて“ゆっくり”話すことで、お互いの理解が深まるならばこんなに素晴らしいことはあり ません。

人が仲良く助け合い支え合う社会=なかよし社会は落ち着いてゆっくり話し合うことから 拡がっていくのかも知れません。私もこの“ゆっくり”話すに取り組んでいます。意識して 取り組んでみると、意外な嬉しい発見に繋がることが分かってきました。あなたも来年の 計画の中にこのアイデアを一つ加えてみてはいかがでしょうか。