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  3. 20180212号 タイトル:「幸福社会の可能性=楽観主義と民主主義」

今年は強い寒波が何度も襲い、北陸を中心に大雪の被害は深刻です。私は福岡 の郊外の筑紫野市に住んでいますが、積雪量は大したことはありませんが気温 は氷点下にまで冷え込んでいます。この町に住むようになって十一年になります が、我家の前の農業用ため池が凍っているのを初めて見ました。

とは言え、冬の寒さに負けないようにと天拝山登山には、タイミングが合えば登る ようにしています。今日も雪は積もってはいましたが、久しぶりの休みだったので、 小雪の中を雨合羽を着て登ってきました。この寒さの中で、紅梅の蕾が綻び始め ていました。

雪の中で、春の足音が遠くに聞こえたような気がしました。春よ来い!


★2018.2.12. 筑紫野市天拝山 山麓 武蔵寺山門前にて撮影

幸福社会の可能性=楽観主義と民主主義

国連が毎年行っている幸福度調査(註1)で155ケ国中、2017年3月の発表 ではデンマークは2位だった。昨年度は1位で、常に高い幸福度を保っている。 この調査はその国の人たちへの主観的なアンケートと客観的なデータ(健康や 生活、政治等)を加味して決定されている。

デンマークの高い幸福度の背景には何があるのだろうかと、幸福度を高くする ためのヒントが得られないだろうかと、デンマークを訪れて、デンマークの人たち の考え方、生き方に触れるようにしている。10年間毎年訪問して気付いたこと がある。

一つにはデンマーク人は楽観的だということだ。どうしてそれが可能なのだろう か。日本では無計画、刹那的、夢想的など、現実的ではない態度としてとらえら れる傾向があるが、この国では楽観主義は積極的な考え方としてとらえられて いる。

このことの背景には、学校の役割が「困難な未来を切り拓くための楽観的展望 を与えること」と明文化され、全ての子どもたちの教育の基本に据えられている ことが考えられる。子どもたちに「君なら大丈夫」「あなたならきっと出来る」という メッセージがあらゆる場面で贈られ続けているのだ。

例えば、デンマークの学校では「否定」の無い授業が行われている。どのように 考えるかを問う授業。例えば、「1+1=2」が正解だと記憶することよりも、「1+ を自分はどう考えるかを問うている。答えは「2」でも「3」でも「5」でも尊重さ れ、否定をされずに「本当はどうか?」という検証過程を繰り返しながら「考える 力」を培っていく。その結果、子どもたちは失敗を恐れずに未来への見通しを立 てる力を身に付け、自尊感情も高まっていく。


★コペンハーゲン市の基礎教育学校での授業風景(子どもの自主性が重んじられています)
       2017年11月15日訪問の基礎教育学校(小中一貫校)にて撮影

さらにデンマークの幸福度を支えているものに高い民主主義度がある。日本では 民主主義は政治用語として用いられているが、デンマークではそれのみではなく、 生活形式として根付いている。

個人の暮らしの中でも徹底した話し合いが行われている。互いの意見を尊重し、 「みんなが良くなるために」という前提での話し合いが家庭でも地域でも頻繁に行 われている。民主主義とは日常の暮らしの中で、丁寧に話し合い、気持ちを合わ せて協力することではないだろうか。

そしてもう一つ思えるのは、「何をしたか」ということよりも「何をしているか」の方を 大切にしているということだ。結果よりも過程(現在)が大事にしている。目標に向 けて取り組むことに意味を持つ。デンマークの高い幸福度は結果ではなく、そのプ ロセスを重視することからも生まれてくるのではないだろうか。権威主義や学歴主 義のような過去にしがみ付く社会とは無縁な未来を志向する社会なのだ。

デンマークは「幸福社会」の可能性を楽観主義と民主主義という形で人々の生き 方の中に示してくれているように思う。

【註1】世界幸福度報告:国連が毎年発行する幸福度調査のレポートである。この 調査における幸福度とは、自分の幸福度が0から10のどの段階にあるかを答え る主観的調査に、(1)人口あたりGDP(対数)、(2)社会的支援、(3)健康寿命、(4) 人生の選択の自由度、(5)寛容さ、(6)腐敗の認識(政府不信)の6つの客観的な説 明変数を用いて回帰分析して発表されている。2017年度は1位ノルウエー(2016 年は4位)、2位デンマーク(※2016年は1位)、日本は155ケ国中51位。アジア でトップはタイの31位、次いで台湾の32位となっている。北欧のスウエーデン、フ ィンランドも毎回トップ10に入っており、北欧は幸福度の高い地域となっている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

教育文化研究所
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