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  3. 20170709号 タイトル:「教育の豊かさと幸福度の高さは比例する」

睡蓮の花が美しい季節になりました。フランスの印象派の代表的な画家モネはこの花に 魅せられて一生をこの花を描くのに捧げましたが、確かに素敵な花ですね。池の水面に 浮かぶこの花は涼し気で観ているだけで心が和みます。私も大好きな花です。いかがお 過ごしでしょうか。


★筑紫野市武蔵寺の心の字池に咲いた睡蓮の花 6月30日撮影

教育の豊かさと幸福度の高さは比例する

デンマークは先進国中GDP対比教育予算の最も高い国です(註1)。その結果、小人数学 級(28名定員)や複数担任制などが実現しています。また、質の高い教育を保障するために 教員資格取得には大学院(修士課程)修了が必要です。

デンマークの教育は「自ら考える」ことが中心です。教育目標を子どもたちが自立するため に必要な力を培うことに主眼を置いているからです。それぞれの意見や個性が尊重されながら、 専門性(知識・技術)と社会性(協力して社会を支える姿勢)が教育の両輪として進められて います。

私が日本で不登校当事者の支援活動をしていることをデンマークの学校関係者に話すと、異 口同音に「それは学校が楽しくないからだ」と言われます。デンマークでは、学校が子どもに とって、楽しく心の充たされる場所であることを目指して運営されています。同時に、フリー スクール(私立の教育機関)やホームスタディ(家庭学習)なども教育の場として認められて いて、多様な学びが保障されています。その結果、すべての子どもに「学ぶ権利」が保障され ています。

義務教育(国民学校)は10年間。6歳を0年生としてスタートし、15歳の9年生で卒業 します。進級や卒業は子どもたちの成長、本人や保護者の意向も考慮しながら決められます。 面白いのは10年生というクラスがあって、進路などを決めかねている子どものために、もう 1年間在籍して将来を考えることも出来ます。

デンマークは資格社会。学歴ではなく、何が出来る かが問われます。そのため高校進学率は50%程度で、 半分は職業専門学校に進学し、働くための資格や技術 を身に付けます。途中で高校への転学、専門学校への 編入等の進路変更もしやすく、自分の未来を安心して 描ける教育制度になっています。

また、大学院まで授業料は無料。加えて返済不要や 無利子の奨学金が用意されていて、学生の生活保障も 行き届いています。また働き始めても、退職して学び 直すときにも奨学金や所得補償などの制度があり、いつからでも学び直すことが出来ます。生 涯を通じて学びが保障されていると言えるでしょう。

このような多様で豊かな教育の機会の保障は高い税金によって支えられています。「税金は みんなの未来への投資」という考えが国民に浸透していて、実際にも税収の70%が教育をは じめ福祉、医療分野に再配分され、協力し支え合う社会づくりが進められています。

私は毎年デンマークを訪れて、その高い幸福度を実現している考え方や仕組みを学び、日本 の改革に役立てるにはどうしたら良いかを考えています。デンマークは特別に優れているわけ ではありません。当たり前のことを当たり前のように実践している国です。日本が当たり前の ことを普通に出来る国になるために、デンマークは多くの示唆を与えてくれる国ではないかと 思います

【註1】経済協力開発機構(OECD)2013年度発表データ:国内総生産(GDP)に占める 教育機関への公的支出の割合は日本3.6%で30カ国中最下位だった。日本は4年れ族最下位。 最も高かったのは、デンマークの7.6%、2位ノルウェー7.5%、3位アイスランド7.0%、4 位ベルギー・フィンランド6.4%と続く。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

教育文化研究所
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