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  3. 20170203号 タイトル:「何か変な会話?」

早くも2月に入りました。1月は1ケ月というよりは2週間くらいの速さで過ぎ去ってしまい ました。速かったですね。私の感覚と実際の時間の経過は2倍のスピードのようです。この感 覚で時間が経過すると、来年のお正月はもう5ケ月後に迫っているということになりそうです。 “光陰矢の如し、一寸の光陰軽んずべからず”ですね。与えられた今という時間を大切にして 今年も生きていきたいと思います。


★筑紫野市天拝山で見かけたソウシチョウ 昨年.2月6日撮影

  藪の中にチラッと見かけたので慌ててズームでシャッターを切ったのでちょっとピン ボケですが、まるで置物のようなカラフルなこの鳥の特徴が撮れていました。この鳥 は元々日本に生息していたわけではなく、中国から日本に鑑賞用に持ち込まれ、それ が野生化して国内に定着したそうです。

何か変な会話?

あるお母さん(Aさん)から高校生の娘さんと喧嘩してしまったので、どうしたらこのような 親子喧嘩をしなくて済むだろうかと相談を持ち掛けられました。その親子喧嘩の内容とはこう いうものだったそうです。

高校2年生の娘さんはアルバイトをしているが、アルバイト当日の朝、そろそろ起こさなけれ ばと声をかけると、布団の中から娘さんが「今日はからだがきついので行きたくない」という 言葉が返ってきた。会話のやり取りは以下の通り。

母:そろそろ起きないとアルバイトに遅れるよ。
娘:今日は体がきついのでアルバイトにいきたくない。
母:それならアルバイト先に電話しておきなさいよ。お母さんは出かけるからね。

と、この段階では何事も起こらないままAさんは外出します。そして数時間して帰宅してみる と娘さんはまだ布団をかぶって寝ていた。そこで再び以下のような会話が始まり親子喧嘩へと 発展する。

母:いつまで寝てるの!アルバイト先には電話した?
娘:まだしてない。
母:連絡も無くて休まれると先方は困るよ。早く電話しなさい。
娘:したくない。
母:そんなことでは大学に入って一人暮らしなんて出来ないわよ。
娘:うるさい!黙れ!
母:その言いぐさは何よ!・・・・

ということで親子喧嘩が勃発してしまいました。よくこのような会話になって親子喧嘩になる のだそうです。そのことを何とか改善できないか、もっと冷静に娘さんと話が出来ないかとい うことでの相談でした。

さて、皆さんはどう思われますか?一見するとどこの家庭でもありそうなやり取りです。私も 我が子の不登校の始まりのときに同じような会話(アルバイト先が学校に代わっただけの会話) を娘としていたような記憶があります。

その当時の私だったら、Aさんと同じような会話をしていたと思います。約束、それも仕事上 の約束=公事は守るのが当然ですから、休むならば事前に、出来るだけ早めに連絡するのが常 識だからです。私事より公事を優先すべきだという固定観念は強く私を縛っていました。

色々な人生経験を得る中で、私の固定観念が家族の気持ちを汲みにくくしていたのだなあと思 えるようになりました。相手が会話の中で発する言葉のその底にある気持ちを汲み取ることで 会話はいきいきとしたものへと変わっていきます。私事も公事もありません。会話は人間対人 間を結びつける大切な関係を作り上げていくものなのですから。

そう思って、今回の例を考えてみると、娘さんが「体がきつい」と言っていることに対して、 勤務先への連絡をAさんが真っ先に言っています。本来なら娘さんの体調をまずは思い遣る場 面なのですが・・・。

もし私が娘さんの立場ならば自分が体がきついと言っているのですから、「どこがきついの」 とか、「体をさすってあげようか」とか、まずは自分の体のことを気遣って欲しいと思います。 その後で「勤務先に連絡しなければね。」とか「自分でかけられないようならお母さんが連絡 しようか」とかの会話がとても自然で気持ちも楽になるものではないでしょうか。

大人になり社会的な常識感が身についてくると、最も大切な存在である我が子の「体がきつい」 という声が聞こえにくくなります。そのような親の心の動きに子どもは敏感です。「お母さん は私の体のことより、アルバイト先の方が大事なの?」と寂しく思うのではないでしょうか。 ※「アルバイト先」を「学校」と置き換えても同じことが言えるのでは?

しかも、腹立ちまぎれに「一人暮らしなんて無理!」とまで言ってしまっています。やってみ なければ分からないこと、一人暮らしを決意して大学に進もうとしている自立心に水をさすよ うなことまで口走っています。これでは喧嘩にならない方が不思議です。

Aさんは面談の中で、自分の実態が見え、同時にどんな母親になりたいかもにはっきり思えた そうです。後日、Aさんにその後の娘さんとはどうですかと尋ねてみました。Aさんはあの日 帰宅して娘さんい次のように謝ったそうです。

「あなたの体のことを真っ先に心配してあげなければいけなかったのに、他人に迷惑をかけて はいけないという考えが強くて、あなたのつらい気持ちを受け止められなかった。これからは あなたのことを最優先にしようと思うね。あなたも無理をしないのよ。」と。

そのことがあってから、娘さんのAさんを見る眼差しが優しく、可愛らしくなったそうです。

この話は自分の過去の姿を思い出させてくれると同時に、私のこれからの対人関係で何を大事 にしなければならないかを考えるとても良い機会になりました。相談に来られたAさんも、相 談を受けた私もお互いに生き方について再確認することが出来ました。これからも、このよう な具体的で日常茶飯事的事例から多くの学びを得ていければと思っています。

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教育文化研究所
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