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  3. 20140424号 タイトル:「6年間待っていたメール」

先週、鹿児島の薩摩半島南端に聳える開聞岳(標高924m)に登りました。昨年、日本 百名山というテレビ番組でこの山が紹介されているのを見て、登ってみたいなあと思っていまし た。開聞岳登山は今回で3度目です。以前の2回はいずれも大学生の時。45年ぶりの開 聞岳でした。大学生の私にとってはそれほど疲れもしないで登れたように記憶していましたが、 今や六十過ぎの私には頂上での休憩を入れて合計6時間の登山は結構ハードでした。

それでも、山頂からの360度の眺望は登りの疲れを吹き飛ばしてくれました。南に青々と拡 がる東シナ海。硫黄島や竹島の島影や行き交う船の航跡。枕崎方向に弧を描いて延びる 海岸線と白い渚。白い雲を映す丸い水たまりの池田湖、頂上から一気に急降下するハヤ ブサの姿、などなど飽きることはありませんでした。山麓の林の中ではもう蝉の声が聞え始め ていました。さすが南国鹿児島ですね。


水が張られたばかりの田に開聞岳のシンメトリーが美しい 4月15日(日)8:00撮影


私は不登校当事者の方が悩みや苦しみなどを分かち合い、或いはその体験談などを聴きな がら自らのこれからを考える場をいくつか担当しています。長い場所では、もう12年にもなりま す。その間に本当に色々な方が参加し、そこで勇気や希望をもらって出発していく姿を見てき ました。そういう方々の幸せになっていく様子を見るのが、私の幸せでもあります。

その会場の一つに6年間通われ続けているAさんの話です。中学校1年生の時に息子さんが 不登校になり、最初は無理やり学校に連れていったり、やかましく言ったりしていましたが、全く 言うことをききません。そのうち部屋にこもってしまうようになり、とうとう話も出来なくなってしまい ました。Aさんは困り果ててやって来られました。

最初のうちは、どうしたものかという不安から泣いてばかりおられました。自らの悩みを語ったり、 他の参加者の話など聴きながら、少しずつ不安や不満が軽減していったようです。不登校に 関するセミナーや講座などにも積極的に参加され、不登校についての正しい理解や姿勢など が進むにつれて表情も明るくなられていきました。

しかし、息子さんは余程のことがあったのか、口をきいてもくれません。顔も合わせたくないらしく、 Aさんが寝静まったのを確認し部屋から出てきてはAさんが準備した食事を食べていたそうです。

中学3年間はまったく登校できませんでしたが、高校は通信制の高校に入学することができ 登校もするようになりました。と言うのも、父親のBさんとは色々なことが話せていたからです。 Aさんは息子さんのことについては全て夫のBさんから聴いていましたので、高校進学について も心から喜んでいました。しかし、そんなことも本人と話すことは叶わないままでした。

高校の3年間、Aさんは息子さんのためにお弁当を作り続けました。自分の気持ちを伝えよう と息子さんの部屋の前に手紙を置いたり、同じ屋根の下に住んでいるのにメールで話しかけた りしましたが、何の返事もありません。それでもAさんは“きっとまた話し合えるようになる”と願っ てあきらめませんでした。

この春、息子さんは他の地方都市にある大学に入学。家を出ての一人暮らしが始まりました。 引っ越しや入学もお父さんに手伝ってもらい、Aさんとは口もきかない状態のまま家を出ていき ました。Aさんは初めての一人暮らしの息子さんのことを思ってメールを打ちました。自分がどん なに息子さんのことを大切に思っているかを伝えようと、いつものようにダメ元の気持ちで。

ところが、なんと!そのメールに息子さんから「元気にしてるよ」のメールが返ってきたのです。Aさ んは6年間、息子さんからのこの一言を待ち続けてきました。「おはよう」でもいい、何でもいい、 母親の自分に声をかけてもらうことを。何度もあきらめかけては、きっと思いは伝わるときがくると 信じて、手紙やメール、お弁当づくりを続けました。そして、とうとう、やっとその日が来たのです。 わずか数文字のそっ気ないメールでしたが、Aさんにとって、どんなに嬉しいメールだったことでし ょう。

そのことを嬉しそうに、目に涙を浮かべて話されるAさんの様子を見ながら、本当に良かったと 私も思わず目頭が熱くなりました。息子さんとの新しい関係は、始まったばかりです。これから も色々なことがあるでしょうが、これまでのことを思えば、何でも出来るように思います。

私が二十年近く、このような活動を継続出来ているのは、Aさんのように幸せになっていく場面 に立ち会わせてもらえるからです。人が幸せになっていくのを見ることは、こんなに嬉しいことは ありません。自他一体の世界の顕現ではないでしょうか。Aさんから、喜びのエネルギーをもらっ て私もまた一歩前に進みます。Aさんおめでとう!そしてありがとう!



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★★★お待たせしました!「不登校講座」(2期生)募集を開始しました★★★
【この講座は不登校や不登校傾向のある児童生徒の保護者のための講座です】

不登校や不登校傾向のある子どもに学校に行けない理由を尋ねても、本人自身も分から ないということがよくあります。そんな時、私たち親は本当に困ってしまいます。理由がはっきり すれば、何とか手が打てるからです。「理由が分からなければどうしようもない」と思ってしまい がちですが、実は理由が分からなくても、不登校の子どもへの対応はいくらでもあります。この 講座では、不登校児童生徒の保護者の皆さんがどのように子どもと向き合うかの基本姿勢 を学び、子どもが元気で明るくなっていくことを目指します。不登校への理解、親子のコミュニ ケーション、これからの対応などを、講話や体験談発表などを聴きながら共に考えていく講座 です。




★第1期の不登校講座の様子です。※講義や体験談、グループディスカッション等多彩な内容です。
●講師:長阿彌幹生(ちょうあみみきお・教育文化研究所代表・不登校サポートネット代表)
●開催日: 5月24日〜7月19日(5回連続講座)
■開催場所:不登校サポートネット 研修室 (福岡市中央区薬院4-3-7フロ-ラ薬院2F)
※西鉄バス停:新川町バス停下車徒歩1分(バス路線[51] 柏原営業所行又は[52] 桧原営業所行)
※西鉄電車薬院駅下車・地下鉄薬院大通り駅下車:徒歩10分
■参加費:各回1500円(※初回のみ2000円・資料代込み)
■募集:定員20名(※先着順)
■お申込み:お名前(フリガナ)・住所・連絡先電話・メールアドレス・お子様の状況を簡単に記 して以下のFAXか、もしくはメールアドレスの「不登校サポートネット 講座係」宛てお申込み 下さい。
(1)FAX  092−522−8308  
(2)メール  info@futokosien-net.main.jp
■お問合せ:不登校サポートネット TEL092-406-8815 (※土日祝のぞく平日10:00-15:00)
■主催:不登校サポートネット 後援:福岡市教育委員会
★★★★★★★★  「不登校で悩む保護者の個別相談会」   ★★★★★★★

   わが子の不登校や不登校傾向に悩む保護者の方と個々のケースに応じた対応を共に考え るために個別相談を行っています。相談員は、私が自分の体験や支援活動などの経験を踏 まえながら、一緒にその解決の糸口を探ります。遠慮なくご利用下さい。
■相談員:長阿彌幹生(ちょうあみみきお・教育文化研究所代表・不登校サポ-トネット代表)
■申込・問合:092−406−8815「不登校ほっとライン」
■相談時間:60分 
■相談費用:1000円
■面談場所:不登校よりそいネット事務所((福岡市中央区薬院4-3-7フロ-ラ薬院2F)
■相談日:随時
★面談日時や場所は最終的に申込者の方との調整で決定しています。
教育文化研究所
〒818-0081福岡県筑紫野市紫2-7-21-801
電話 092-923-9339