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  3. 20130519号 タイトル:親にしか出来ないこと

昨日、天拝山でホトトギスの声を聞きました。この声を聞くといよいよ初夏。下山後、帰宅して早速タンスから半袖シャツなど出して、その替わりに厚地の衣料をしまいました。 ホトトギスが衣替えを面倒だなあと思っていた私の背中を押してくれました。ホトトギス君ありがとう!


★アザミ(大義山にて撮影) 筒状花の先に白く花粉が押し出されています。

今、野山ではアザミの花が次々と咲いています。紫色が一段と目立ちます。この花も初夏の花として、馴染みの深い花ですね。開花して間もないアザミに出会いました。その美しさにうっとりしてしまいました。



私たちの不登校児童生徒の保護者支援活動では、不登校についての理解を深めるた めの講演会を年に数回開催しています。講師にはスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、臨床心理士、医師など専門家をお招きしています。私たち保護者自身もわが子の不登校の時の体験談を発表したりする機会も設けて、不登校についての理解を深めています。

先日の講演会でのこと。講演が終わり、講師との質疑応答の時間になりました。その時の質問の一つはこういうものでした。「不登校になり、学校の先生たちと話し合ったけれど子どもは学校に戻ることが出来なかった。心療内科にも通ったが、それでも学校に行くことが出来なかった。この間、教師、スクールカウンセラー、医師、臨床心理士、保護者の会などに相談し、意見を求めたが、それぞれ意見も違っていた。誰の言うことを聴けば良いのか分からなくなってしまっている。どうしたら良いのでしょうか?」という質問でした。

“藁をもつかむ”思いで、色々なところに相談を持ちかけておられるのでしょうね。私も当時者でしたので、その気持ちはとてもよくわかります。どうしたら良いのか、誰か『正解』を教えて欲しい!と叫びたくなるようなお気持ちなのではないでしょうか。

私がそのような気持ちから冷静になれたのは或るきっかけがあります。私もわが子の不登校に直面して、児童心理学などを中心とした不登校関連の本を何十冊も読みましたし、講演会にも頻繁に参加しました。カウンセラーの方にも相談していましたが、一向に事態は改善しませんでした。

時には、何カ月もの間、病院でつけるカルテのようなものを作成して、子どもの睡眠時間とか気分の変化など、その様子をこまめに記録し、それを医師やカウンセラーの方に見せたりしました。そのような私の在り様を見かねたのでしょうか、医師から次のように言われました。

「病気かどうか、治療はどうするかなどは専門家の私たちが判断し対応します。それよりも親にしか出来ないことがありますよ。親だから出来ることをしてあげてはどうでしょうか。」と。

この言葉で目が覚めました。知識や情報で頭デッカチになってしまい、すぐそばで悩んでいるわが子の気持ちに寄り添うこともなく、どうしたら学校に行けるか、高校に進学出来るか、などわが子を何とか動かそうとして躍起になっている自分の姿に気が付いたのです。対策だとか、方法だとかを考えるばかりで、肝腎の子どもの心を観ようとしていなかったのです。

「親にしか出来ないこと」「親だから出来ること」は、子どものすぐそばで暮らしていて、赤ん坊のときから可愛がってきた親である私こそが、子どもの声にひたすら耳を傾け、その心の奥にある苦しみや悲しさ、寂しさなどに気付くことなのだということに気が付きました。手段や方法にかまけて、最も大切なことを忘れていたのです。

そう思えることで、私の表情や言葉掛けが少しずつ変化していったのではないでしょうか。やがて、子どもと色々なことについて話し合えるようになりました。とは言え、親子といえども全部をさらけ出して話せるものではありません。話せる範囲で悩みや苦しみなどを共有し合えたのではないかと思います。本当に辛かったんだなあと。

見返りを求めない愛、ひたすら子の幸せを願う気持ち、子どもに向かう優しい心、これこそがそれが医師から言われた「親にしか出来ないこと」「親だから出来ること」だったのではないかと思っています。そして、これからもこのことを生きている限り続けていこうと思っています。なぜなら、このことこそ親としての私の幸せそのものなのですから。

教育文化研究所
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