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  3. 20121206号 タイトル:徹底的に話し合う

めっきり冷え込んできました。もう12月ですからね。先月、デンマークに行ってきましたが、北海道よりも北に位置しているのですが、比較的過ごしやすい8日間を過ごしました。

この時期のデンマークは曇りの日が多く、青空が恋しい季節ですが、人魚姫の像を訪 れた11月12日は朝から晴れていました。水面に空の青が映した海辺に人魚姫が静 かに佇んでいました。今年も彼女に会うことが出来て良かった!



★人魚姫の像 デンマーク コペンハーゲンにて 11月12日9:00頃撮影

私のメルマガ「なかよしブログ」に「デンマーク2012研修レポート」というタイトルで今回の研修ツアーの様子を掲載しています。よろしければ訪問下さい。
 →http://nakayoshi.kyoikubunka.com/



デンマークに行っている間に、日本では総選挙が行われることが決まり、帰国するとテレビや新聞は、選挙一色になっていました。前回は自民党・公明党政権が倒れ、民主党政権になりましたが、今回は既成政党以外に、新党が林立しています。どうなることでしょう。

私は特に支持政党がありません。選挙の都度、選挙公約やマニュフェストをみて投票 してきました。しかしながら、それらにはその公約をどのようにして果たすのかが書かれていないので判断がしずらいのが実情です。なので、その政党が選挙後にどのような行動や態度をとったかも投票の参考にしています。公約やマニュフェストは「いいことだらけ」ですが、それをどのような形で実行しようとしたかは、その後の言動を見れば明らかですから。

議席で過半数を得るために、政党間での駆け引きが盛んに行われています。過半数 を得れば、多数決で自分たちの思い通りに国政を動かせるからです。この結果、“数”の論理で政治が行われるために、“話し合う”ことが軽視されています。

デンマークには「“多数決”は多数派による独裁である」という言葉があります。徹底的に話し合うことが民主主義の基本だからです。話し合って、合意に至らなかったら一度持ち帰り、妥協点や折衷点などを検討して、再度話し合うことを基本としています。

徹底的に話し合うということはどういうことなのか?それを考える前に、話し合う際の大事な前提条件があります。それは、話し合って決めたことは、それまで主張してきたことと違っても、話し合い後は自らの意思とするということです。それだけの潔さや度量の広さが無ければ、政治という大きな役割は果たせないのです。それが前提条件です。

その上で、「徹底的に話し合うということはどういうことか?」というと、それは「落ち着くところに落ち着く」ということです。忌憚無く意見を出し合い、『どうしたら国民みんなが良くなるか』を真ん中の置いて考えるならば、それぞれの知恵が必ず一致点を見いだせるのです。

言いたいことや話したいことを出し尽くすところまで話すと、では「どうしたら良くなるか」についての両者の違いは違いとして受け止めながら、落とし所は自ずと見えてきます。忙しい、時間が無いという理由で徹底した話し合いが出来ないために、自然と見えてくる一致点も見いだせないままに多数決という安易で一方的な決定方法に頼ってしまうのではないかと思います。

成熟した人間同士の話し合いは、相手の主張を理解し、その主張と自らの主張がど のような形で融合できるかを考える場となり、「新しい価値を創造する」場になることでしょう。

原発問題にしろ、領土問題にしろ、今こそ「徹底的に話し合う」ことが求められています。その中から、新しい考え方が見出されていくのではないでしょうか。「民主主義」=“多数決”という誤った理解が、「徹底的に話し合う」ことを阻害しているように思えてなりません。



デンマークでも多数決を用いますが、それは徹底した論議を行うことが前提です。それを抜きにしての多数決は行いません。
ついでに一言:人の発言中に大きな声で“野次”を飛ばし、妨害するな卑劣な行為が日本の国会ではまかり通っていますが、これは許されるべき行為ではありません。話し合おうという姿勢を持つ人間のすることではないと思います。
※現在のような国会の様子は恥ずかしくて、子どもたちに見せたくありませんね。
今回の選挙で「最低賃金制の廃止」という驚くべき公約を掲げている政党があります。そのことについて、哲学者の内田樹氏が興味あるコメントを発しています。アクセス数が2800万アクセスを超える人気ブログです。興味のある方はご一読下さい。

内田樹の研究室:http://blog.tatsuru.com/2012/12/01_1009.php

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