2019.9.30 教育文化研究所 長阿彌幹生wrote.

今日で9月も終わりです。本当に時間の経つのは早いものです。明日から10月、今年も残り 3ケ月ですね。1年の四分の三が過ぎて、ちょっと立ち止まって、一体何をしてきたのかなと振 り返るのもいいのではないでしょうか。バタバタと追われているうちに、いつの間にか歳をとり 体も心も思うようにならなくなっていた、というのでは勿体ない気がします。もう少し、ゆっくりと 自分の暮らしを味わうことに時間を使ってみるのもいいのではないでしょうか。たった一度の 人生ですから。

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★天拝山公園にて:金木犀(キンモクセイ) 9月30日撮影
※ここ数日でそこかしこで咲き始めました。秋の香りを辺り一帯に漂わせてくれていますね。

■■ ■■なかよし情報190930:どうして勉強しないといけないの? ■■■■

小学校3年生の息子さんが最近学校に行くのを渋りがちで悩んでいるお母さんが以下のような話をされていました。

息子さんからよく尋ねられるのだそうです。「どうして勉強しないといけないの?」と。そんな 時はこの子は「きっと学校に行きたくない」から、このような質問をするのではないかと思い、「行きたくないなら行かなくていいよ」と返事をするそうです。でもそれで良かったのだろうかと思っているそうです。

私はこの話を聴きながら、まずはこの会話が会話になっていないのではないかと思いました。「どうして勉強しないといけないの?」という質問に対して、「行きたくないなら行かなくて いいよ」という返答をしていますが、息子さんは「学ぶ」目的は何か?を尋ねています。しか し親からの返事はそれとは全く違ったものになってしまっています。

多くの家庭で、このような会話が親子で交わされているのではないでしょうか。親が子ども の気持ちを推し測って、或いは先回りして、特に不登校の子と向き合う場合には、このような 会話になりがちなのではないでしょうか。

このように尋ねられたら、まずは、「どうしてそう思ったの?」ときくことからではないでしょう か。子どもの気持ちを聴くから始めても良いように思います。

その気持ちを聴きいた上で、「こう考えているよ」という親自身の考えを語りることだと思います。子どもは答えを求めているというよりも、自分の言葉にしっかり向き合って考えてくれる親の態度(あなたのことを尊重しているよ・あなたのことを大切に思っているよ)を求めているのかも知れません。

また、私たち自身が「学ぶ」ことの楽しさや豊かさを伝えることが出来るかどうも問われているようにも思います。「学ぶ」ということをあまり考えて来なかった場合には、返答をしにくいかも知れません。

そんな時は、お子さんと一緒に「学ぶ」目的を考え、発見していくのも大切なことのように思えます。学びへのモチベーションを高めるには、その目的が明確になることです。そして「学ぶことが人生を楽しく豊にすること」だと言うことが分かったら、子どもは学びのスイッチを自ら入れることが出来るのではないでしょうか。 段落

そのためにも、私たち親大人自身がこのことを実感し、子どもの前で実践することだと思います。大人になってからも、自分の人生を心豊かなものにするために学びを続けている人はいます。そして、そういう大人の周りでこそ、学びの楽しさや豊かさを知っている子どもたちが育っていくのではないかと思います。大人は子どもにとって最大の環境なのですから。