なかよし情報190505「幸せ」についての一考察

２０１９．５．５ 教育文化研究所 長阿彌幹生wrote.

１０連休も残すところ２日になりましたが、皆さんはいかがお過ごしでしたか？私は旅行も観光もすること無く、いつもと変わらぬ暮らしでした。森でこどもたちと一緒にネイチャーウオッチングをしたり、近くの山に登ったり、デスクワークで幾つかの書類やチラシを作成したり、読みたかった本も何冊か読んだり、録画したドキュメンタリーを何本か視聴したり、・・・・、自分なりに充実した時間を過ごせたことを嬉しく思っています。

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私が主宰しているデンマーク研究会では、先月からデンマーク幸福研究所の所長マイク ・ヴァイキング氏の「デンマーク幸福研究所が教える「幸せ」の定義という本を使って、デ ンマークの高い幸福度だけではなく、「幸せ」とはどういうことなのかを考え始めました。

「幸せ」については昔から多くの哲学者や宗教者などが考えてきましたが、この本は「幸 せ」を色々な角度から考え、私たちの暮らしの幸福度を高めるための示唆を与えてくれ ます。今回の研究会では、その本の中に引用されているロバート・ケネディ氏（ジョン・F ・ケネディ米アメリカ大統領の弟・元米司法長官）の言葉を紹介したいと思います。

「GDPの増大＝経済成長＝幸せになる」という図式が間違いであったことに５０年前の 彼は気が付いていました。しかし、その後の半世紀もこの幻想に取り憑かれて進んでき ました。そして今、改めて私たちは何を大切にし、どんな社会を目指さなければならない かを考える時が来ているのではないでしょうか。

（註）デンマーク研究会：主催：教育文化研究所　　　参加費500円
開催日：毎月第２水曜日18:30-20:30定例開催
場所：教育文化研究所（福岡市博多区奈良屋町2-16）
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■ケネディの遺産
ロバート・ケネディ（ジョン・Fケネディ米大統領の弟で上院議員、大統領選挙の最中に １９６８年に暗殺される）は１９６８年カンザス大学の演説で次のように述べました。
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私たちはもうずっと前から、個人の優秀さや共同体の価値を、単なるモノの量で測るよう になってしまった。この国のGDPは、8000億ドルを越えた。しかし、もしGDPでアメリカ 合衆国の価値を測るのなら、GDPには、大気汚染や、たばこの広告や、交通事故で出動 する救急車も含まれている。

GDPには、ナパーム弾や核弾頭、街でおきた暴動を鎮圧するための、武装した警察の車 両も含まれている。GDPには、玄関の特殊な鍵、囚人をかこう牢屋、森林の破壊、都市 の無秩序な拡大による大自然の喪失も含まれている。GDPには、ライフルやナイフ、子 どもにおもちゃを売るために暴力を美化するテレビ番組も含まれている。

一方、GDPには、子どもたちの健康や教育の質、遊ぶ喜びは入っていない。GDPには、 詩の美しさや夫婦の絆の強さ、公の議論の知性や、公務員の高潔さは入っていない。 GDPには、私たちの機転や勇気も、知恵や学びも、思いやりや国への献身も、入ってい ない。

つまり、GDPは、私たちの人生を意味あるものにしてくれるものを、何も測ることはでき ないのだ。GDPは、私たちがアメリカ人であることを誇りに思えることについて、いっさい 教えてくれないのだ。もしそれが、この国において真実であるなら、世界中のどの国でも やはり真実だろう。